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2021/8/19 thu

2416MARKETの1周年プロジェクト「ワンダーカナガワ」を開催して見えた神奈川の魅力

2021年6月21日〜7月25日まで「あなたがまだ知らない神奈川を探そう」をテーマに開催された2416MARKETの1周年記念イベント「ワンダーカナガワ」。
今回この企画のコンセプトプランナーとして参加させていただいた、ミネシンゴ自らがレポートをお届け。
施設を運営するルミネが初めて総合プロデュースするショップとして2020年にオープンし、コロナ禍で開催の条件が限られた中、連日多くの人で賑わった同企画。緊急事態宣言などの状況を踏まえ、マルシェなどは未開催だったものの、神奈川の魅力ある商品やカルチャーを発信している企業たちとの期間限定コラボ商品も生まれ、あらためて「横浜だけじゃない、神奈川の魅力の再編集」を実現させた。
ルミネが自主運営していることで2416MARKETの設計は自由度を増し、NeWoMan内でも一線を画す空間になっている。
今回そんなワンダーカナガワを企画した3人のお話を交え、この1周年記念イベントの模様をレポートする。

ワンダーカナガワを企画したキーマンの3人。左から2416MARKET店長 横道絹子さん、企画運営の伊藤さん、商品開発担当マネージャーの武田さん

「Wonder(不思議がる)」と「Wander(ぶらぶらと歩きまわる)」に込めた想い

食と物販を融合した神奈川のセレクトショップとも言うべき2416MARKET。オープして1年が経ち、店内にあるショップごとの魅力を発信してきたが、1周年を機に「点から面」で見せたいと考え立ち上がったこのイベントは、「ワンダーカナガワ」と名付けられた。「ワンダー」は不思議がる、ぶらぶら歩き回る、のダブルミーニングになっている。

「横浜駅西口のリニューアル工事は、“横浜のサクラダ・ファミリア”と呼ばれるほど長期間にわたりました。その工事がようやく落ち着き、新たにNeWoMan横浜がオープンするときには地元の人からの期待に応えられるような空間をつくらないと、と考えていました。神奈川に特化したコンセプトでお店をつくり、来てくださるお客さまがもっと地元を好きになれるような場所。そういった空間をつくること自体、ルミネとしては新しい挑戦でしたが、魅力いっぱいの神奈川を見せることで地元の方に愛される場となり、周辺のファッションビルとの差別化にもつながると思っていました」

そう話すのは企画運営を担当する伊藤さん。自社ビルでかつ「自主編集」できるのが2416MARKETの強みであり、関東圏にあるルミネでもこれまでにない試みだ。ライフスタイルショップは全国に存在するが、「神奈川」に特化したセレクトショップは稀で、それをルミネのフィルターを通してどう表現するかが鍵だった。

店内の物販スペースはイベント会期中「CITY SIDE」「HILL SIDE」「SEA SIDE」と神奈川を3つの地域にわけて、その地域にゆかりのある商品を置いていた

「2416MARKETをつくるときには、物産展になっちゃいけない! と会議で何度も話し合っていました。神奈川といえば? で思い浮かべられるものもたくさんありますが、そこはルミネの感度で世界観をつくる必要があって。感度というと、とても抽象的で説明しづらいのですが、その目に見えない感度によって支えられ、仕入れる商品たちも選んでいきました。神奈川の中でも各地域で活躍している作家さんやショップさんを丁寧に探して、その地域の“熱”を横浜に集めてたくさんの人に伝えていきたい。その集合知が今回の1周年企画につながっています」

なにを置くか以前に、どういう想いでつくり手がつくっているか、その商品をルミネの視点から解釈して人と人をつなぎ、知らなかった神奈川を表現していく場所。イベント期間中には神奈川で活躍する作家ごとのPOP UPブースも設営された。

逗子を中心に活動するつくり手たちの、豊かな品々を集めたセレクトショップ『zuhka』のPOP UPブース

ブランドとブランドをつなぐ、神奈川のWネーム商品

ワンダーカナガワの会期中、物販では限定商品も展開していた。単なるオリジナル商品ではなく、神奈川のつくり手たちと丁寧に打ち合わせを重ね、人と人とのつながりを大切にして出来あがった限定商品たち。地域を超えてひとつになる、ユニークで愛くるしい商品をご紹介。商品開発担当の武田さんにその魅力を伺った。

■SUNSHINE+CLOUD × 熊澤酒造「天狗Tシャツ」 ¥6,600(税込)

「100年ぶりに復活した熊澤酒造の限定醸造『クラフトジン 白天狗』をモチーフにした大人のためのTシャツです。上質なコットンの胸元に「10(テン)」、裏には「GOOD(グッ)」とプリントされ、袖には天狗のイラストが。2416MARKETのスタッフたちもみんな気に入って着ていました」

■SUNSHINE+CLOUD × 27 COFFEE ROASTERS「マグカップ」  ¥2,416(税込)

「時代に流されない物づくりを続ける、葉山の人気アパレルショップ『SUNSHINE+CLOUD』がデザインした、毎日を応援してくれるメッセージが隠れたスペシャルコラボレーションマグカップ。どっしりとしたカップだけど握りやすく、毎日使いたくなるカップです」

■SUNSHINE+CLOUD × 27 COFFEE ROASTERS「7days coffee」  ¥3,980(税込)

「月曜日~日曜日まで、曜日を連想させるフレーバーとメッセージ付きドリップコーヒーアソートセット。毎朝飲むコーヒーをエスコートしてくれるのがうれしいですよね。元気になれるメッセージが込められたオリジナルバッグもついてきます」

■めぐみ焼菓子店 × 井出トマト農園「井出トマト農園のトマトジャム」 ¥864(税込)

「藤沢のトマト農園『井出トマト農園』と焼き菓子店『めぐみ焼菓子店』がコラボしてできたジャム。濃厚な甘みのトマトを使用していて、まるで太陽の味」

■めぐみ焼菓子店 × 加藤兵太郎商店 「いいちみそとピーナッツのクッキー」 ¥400(税込)

「1850年から続く老舗味噌蔵『加藤兵太郎商店』。神奈川県産の大豆のみでつくられた味噌『神奈川ブレンド』を使用して、ピーナッツの香ばしさとコクのある味噌がマッチしたクッキーです」

神奈川のものを驚くほどおいしく、地産地消する

2416MARKET内の飲食店ではイベント会期中、店舗限定メニューを提供していた。神奈川のおいしいものを横浜でよりおいしく変化させる。味覚でも神奈川を味わってほしい一品たちをご紹介。

■800°DEGREES ARTISAN PIZZERIA 「葉山石井牛のプレミアムピッツァ」 ¥3,400(税込)

神奈川ブランド「葉山石井牛」をメイントッピングにしたプレミアムピッツァ。もちもちのピザ生地ジューシーなミートボールがたまらない。イベント期間中はローストビーフサラダ、肉の旨みをぎゅっと詰め込んだハンバーグなど、葉山石井牛づくしのメニューも提供していた。

800°DEGREES ARTISAN PIZZERIA スタッフの近藤沙紀さん。
「イベント期間中は学生さんやさまざまな年齢層の方が多くいらっしゃってくれました。ちょっとした記念日にもオススメの店です。神奈川の魅力が詰まった2416MARKETで、買い物もお食事も楽しんでいっていただきたいです」

■800°DEGREES CRAFT BREW STAND「ホエイサワーエール ミックスベリー レギュラー」 ¥900(税込)

厚木にある最老舗地ビール蔵『サンクトガーレン』が神奈川県産のブルーベリーやラズベリーなどと厚木の『牧家 Bocca』のホエイを使用した、限定製造のフルーツサワーエール。香り立つベリーの風味とホエイのまろやかさがクセになる。

■ALL GOOD STORE 「井出トマトのフラワージェラート」 ¥720(税込)

湘南の温暖な環境と富士山の澄んだ高原の環境を生かしてつくる『井出トマト農園』の甘熟トマトを使用したスペシャルジェラート。バラに見立てたジェラートは、手にした瞬間気持ちもあがる一品。

これからもワンダーな神奈川を探し求めて

コロナ禍での開催になったワンダーカナガワだったが、2416MARKET店長の横道絹子さんはこのイベントを通じて「神奈川の可能性を感じた日々」だったと振り返る。
「コロナの状況もあって、生産者さんのもとに直接伺うことが難しかったのですが、みなさんのお力を感じながら1周年イベントを無事開催できました。また、今までお付き合いのあった生産者さんの他にも、このイベントを通じて新たに作り手の方々と知り合うことができました。神奈川にある魅力的なものって、まだまだ本当にたくさんあります。このイベントの期間中に来てくださったお客さまからも『あのお店とこのお店がコラボしているんだ!』と新鮮さを感じてくれていました。自分の地元にこんなすてきなお店があったのか、と地域の方にも発見があったということがとてもうれしかったですね。

今回は実現できませんでしたが、今後は生産者さんとお客さまが直接コミュニケーションを取れるマルシェやワークショップなどの催しを考えています。お店とお店をつなぎ、お店とお客さまをつなぎ、お客さまと地元をつなげる。まだ知らない神奈川の魅力を発信するハブのような存在になることが、これからの2416MARKETの目指すところですね」

取材・文:ミネシンゴ(アタシ社)
写真:岸本修平